よくあるお悩み
- 台風・地震で屋根はどのような被害を受けますか?
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経年劣化が進んだ状態で、台風・地震の被害にあうと、屋根に大きなダメージが発生します。台風の場合 部分的な被害ですむこともありますが、地震の場合 全体的な葺替が必要になることも少なくありません。
■台風による屋根の被害(風災)
台風による各種屋根材の被害についてご紹介させて頂きます。尚 経験上 台風による屋根の被害(風災)は部分的なものが多く、屋根の部分修繕・補修で間に合うお宅が大半です。風災は、火災保険で大部分カバーされますので、保険のご加入をおすすめ致します。
・台風による化粧スレート瓦の被害
化粧スレート瓦自体の劣化が進むと、強い台風の場合 屋根材自体が割れて飛散する場合があります。また、棟包み水切の緊結釘が劣化したりゆるむと、棟包み水切が飛散する場合があります。
風災によるフルベスト飛散・めくれ 風災による棟包み水切飛散 風災による棟包み水切飛散 ・台風による瓦屋根の被害
風災による棟瓦飛散 風災による桟瓦浮き・メクレ 風災による桟瓦浮き・メクレ 風災による桟瓦浮き 風災により、めくれ上がった谷板 ・台風による金属屋根の被害について
昨今 耐震の観点から屋根の軽量化が推奨され、金属屋根材による屋根リフォームが流行っています。金属屋根材は、屋根材の中では最も軽量です。但し、軽い屋根材ほど飛散しやすく、屋根材の緊結状態だけでなく、屋根下地を含めた強度が重要です。2018年9月の台風21号時 弊社(大阪市港区)のすぐ近くで、金属屋根が下地ごと全て飛散した建物を目の当たりにしました。また、金属屋根材を長持ちさせる為には、屋根塗装のメンテナンスが必須です。金属屋根メーカーは、塗膜保証が切れるタイミング(15年~20年)での屋根塗装を推奨しています。一方 塗装業者さん曰く、鉄部の塗装はあまり長持ちしないとのこと。つまり、金属屋根の塗装は外壁塗装ほど耐久しない為 外壁よりも短いスパンでの、屋根塗装が必要となるようです。
➨ 衝撃!屋根が消えた!巨大台風による金属屋根飛散!(神清ホームページより)
■地震による瓦屋根の被害
2018年の大阪北部地震の被害を受けたお宅です。劣化が進んだ「土葺き工法の瓦屋根」の被害が、多かったように思います。特に劣化した棟部の被害が甚大でした。このような被害を防ぐ為 昨年1月1日より、瓦屋根に関する建築基準法が強化(平部全数緊結、屋根端部補強、棟部施工法強化)されています。
地震による釉薬瓦ズレ 地震による隅棟ズレ 地震による陸棟の崩壊 地震による陸棟部崩壊 地震によるS形瓦ズレ・通り乱れ ■地震による接着工法(ラバー工法)が施された屋根の被害
2018年の大阪北部地震の被害にあわれたお宅です。このお宅は、屋根全体にシリコン樹脂による瓦止め工法(接着工法/ラバー工法)が施されていました。棟瓦が塊(かたまり)でずれて、落下寸前でした。
棟瓦が全てコーキングで接着・一体化されていました。瓦と棟土を合計すると、約2t程度の重さになります。万一 この塊(かたまり)が、屋根から道路に落下すれば、大惨事につながる可能性があり、非常に危険な状態でした。
大阪北部地震の際 屋根全体に瓦止め工法(接着工法/ラバー工法)が施されたお宅で、大屋根の片面の瓦がほぼ全て、塊(かたまり)で下屋根に落下したお宅がありました。屋根表層の瓦だけを接着/一体化しても、屋根下地と緊結されていなければ、逆に大きな事故につながる危険性を含んでいます。
屋根材を問わず、家自体が影響を受けるような天災(地震・台風)にあえば、多少の被害は避けられません。特に劣化が進んでいると、大きな被害につながる可能性があります。規模の大きな地震のたびに、瓦屋根の被害がよくマスコミで報道されます。被害にあったお宅のほとんどは、「劣化が進んだ土葺き工法のお宅」であったり、「瓦がほとんど緊結(留付)されていないようなお宅」です。2018年の大阪北部地震・台風21号の際 瓦屋根のお宅でも、最先端の耐震・耐風工法など強度の高い施工法で葺かれた屋根は、全く被害が出ませんでした。これもまた事実です。
- 屋根からの雨漏りによる天井・軒先天井への雨染み(雨シミ)・モルタル亀裂
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隅棟からの雨漏りによる軒先天井の雨シミ 袖瓦からの雨漏りによる軒先天井雨シミ 雨漏りによる軒先ケラバモルタル亀裂・脱落
隅棟からの雨漏りによる出隅モルタル亀裂 袖角瓦からの雨漏りによるモルタル脱落 *このような症状が発生している場合 屋根にあがらずとも(屋根からの)雨漏りの有無を判断できます。屋根点検時 これまでの経験から、雨漏りの要因を推測→実際に屋根にあがり原因確認→対策をします。
- 屋根の色あせ・さび・変色・不適切な屋根塗装(カラーベスト・モニエル・セメント瓦・金属屋根)
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屋根の色あせ・さびは、カラーベスト(コロニアル)・コンクリート瓦(モニエル瓦他)・セメント瓦・金属屋根の代表的なリフォーム信号です。これら塗装されている屋根材は、塗膜の劣化に伴い表面塗装が色あせします。築後10~15年程で本症状が、顕著になる場合が多いようです。
特に化粧スレート屋根(カラーベスト・フルベスト他)の場合 築後20年以上経っていると、結露等で屋根下地(合板)・野地板が腐食しているようなこともあります。このような症状が発生したら、専門の屋根工事店にご相談下さい。
また、金属屋根材(ガルバリュウム鋼板)の場合 塗膜が劣化し放置すると、さびが発生し、最終的に穴開きに至ります。そのような事にならないよう、屋根材の塗膜保証が切れるタイミングで屋根点検を実施し、状態に応じて屋根塗装をご検討下さい。ガルバリュウム鋼板は、従来のカラー鉄板よりも耐久性が高く、非常に優れた建材です。但し、メンテナンスフリーではありません。メンテナンスという観点からは、屋根塗装が必要となりますので、ご留意下さい。
化粧スレート瓦(カラーベスト・フルベスト)の色あせ・カビ
カラーベストコロニアル色あせ カラーベスト劣化・カビ 厚物化粧スレート瓦劣化 フルベスト劣化・カビ フルベスト色あせ(塗装不良?) フルベスト劣化・カビ モニエル瓦の劣化・色あせ モニエル瓦の劣化・色あせ モニエル瓦の劣化・色あせ セメント瓦(アルペン30・エアルーフ)の劣化・色あせ
アルペン30劣化・色あせ エアルーフフレンチ劣化・色あせ セラルーフ劣化・色あせ 富士スレート 和風瓦劣化 富士スレート 和風瓦劣化 厚型スレート瓦の劣化
釉薬瓦の変色
■屋根塗装の色あせ・めくれ(カラーベスト・フルベスト・モニエル瓦・セメント瓦他)
最近 外壁塗装時に、屋根塗装(カラーベストコロニアル・フルベスト屋根・セメント瓦・モニエル瓦他)を実施するお宅が増えています。しかし、瓦・屋根材の劣化が著しく進行している場合(築後20年以上経過している場合等) 短期間で塗料がめくれる場合があります。また不適切な屋根塗装は、雨漏りにつながりますので、ご留意下さい。
■不適切な屋根塗装(カラーベストコロニアル・フルベスト)
化粧スレート瓦の「縁切り」工程を省略した不適切な屋根塗装工事
屋根材の軒先端部の塗料の「縁切り」が省略された不適切な屋根塗装。屋根材が塗料で密着し、これが防波堤のような役割を果たしてしまいます。雨水は、化粧スレート瓦の横同士の突付部分の隙間から侵入します。この雨水が排水されず、釘穴まで逆流→結果として雨漏りしていました。
不適切な屋根塗装により、カラーベスト釘穴まで雨水が逆流した跡
屋根塗装された、5寸勾配のカラーベスト屋根。不十分かもしれませんが、「縁切り」はされているようでした。カラーベストをめくると、釘穴を越える所まで雨水が逆流→雨漏りし、屋根下地が複数個所傷んでいました。
屋根塗装された6寸勾配(急勾配)カラーベストの釘穴に至る雨水逆流跡
6寸勾配(急勾配)のカラーベスト屋根で、雨漏りの部分補修時の写真です。「縁切り」を省略する不適切な屋根塗装が、施されていました。
急勾配屋根の場合 「縁切り」が不要とうたっている塗装業者さんもいらっしゃいます。この実態からすると、急勾配屋根でも、「縁切り」はした方が得策です。
緩勾配屋根への不適切な屋根塗装による雨漏り
緩勾配(2.5寸勾配)のカラーベスト屋根に「縁切り」を省略した不適切な屋根塗装がされていました。釘穴から無数に雨水が侵入→雨漏りし、屋根下地が腐食ていました。釘穴から侵入した雨シミが、無数についていました。本来 カラーベストが施工不可な緩勾配屋根(3寸勾配未満)の屋根塗装は、雨漏りのリスクが非常に高いと思います。
縁切り部材「タスペーxx」設置個所のカラーベスト割れ
最近 カラーベスト屋根塗装時 縁切り部材「タスペーxx」を設置される工法が増加しているようです。このお宅は、カラーベストの継目部分に「タスペーxx」が設置されていました。標準施工がどうか判りかねますが、この部分が、多数割れていました。カラーベストは、ゼロアスベスト化に伴い、従来(アスベスト含有品)よりも割れやすくなっています。踏み割れ防止の為 カラーベスト施工時 緊結釘の打ち込み具合や、屋根下地不陸(垂木間3mm以内)等 非常にシビアな精度を求められます。「タスペーxx」は非常に便利な縁切り部材のようですが、利用時に慎重な判断が必要ではないでしょうか。
■屋根塗装めくれ:コンクリート瓦(モニエル瓦)・セメント瓦
屋根塗装したコンクリート瓦・セメント瓦の塗装がめくれたケースです。塗膜の劣化が著しい場合及び、塗装方法に問題がある場合は、屋根塗装後2~3年程の短期間で、塗料がめくれる場合があります。また、アスファルトシングル屋根は、専用塗料を使用しないと亀裂が発生する場合がありますので、ご留意下さい。
コンクリート瓦・セメント瓦の屋根塗装のめくれ
モニエル瓦やセメント瓦に屋根塗装が施され、数年ではがれてしまったお宅です。下地処理が悪かったのか、屋根材自体にも問題があったのかは判りかねます。屋根は家(住宅)の中でも、最も厳しい環境下で、役割を果たしている部分。屋根塗装で長期間もたせるのは、なかなか難しいのではないでしょうか。
パラマウント 屋根塗装めくれ パラマウント 屋根塗装めくれ パラマウント 屋根塗装めくれ - 屋根漆喰(しっくい・シックイ)の変色・はがれ
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屋根漆喰(しっくい)の変色・はがれは、瓦屋根の代表的なリフォーム信号です。雨水が当たる頻度・棟部仕様・施工状態(ノシ瓦勾配の取り方他)・屋根漆喰(しっくい)施工方法等が影響します。最近、不適切な屋根漆喰(しっくい)工事に起因する、雨漏りのご相談も増えています。「屋根漆喰(しっくい)がはがれたから塗りましょう」といった安易な処置は、時に恐ろしい副作用(=雨漏り)につながることがありますので、十分ご注意下さい。
陶器瓦しっくい変色 陶器瓦しっくい変色 陶器瓦しっくい変色 ■屋根漆喰(しっくい)のはがれ
屋根しっくいの劣化が進むと、変色→はがれに至ります。棟部仕様(ノシ瓦積み段数)・ノシ瓦施工状態(ノシ瓦勾配他)・シックイ施工方法等も大きく影響します。このような症状が発生したら、恒久対策として、棟部積み直し・積み替え・葺替え工事をお薦めしています。ちなみに、よく目にする「しっくい塗り替え工事」では、恒久対策にはなり得ません。そもそも、劣化した棟土のしっくい(表層)を塗り替えても、棟の強度アップにはなりません。
陶器瓦しっくいはがれ・植物 いぶし瓦しっくいはがれ いぶし瓦しっくいはがれ ■屋根漆喰(しっくい)のはがれ(取合い・コンクリート瓦・S瓦・谷部)
モニエル瓦しっくいはがれ 陶器瓦 棟端部しっくいはがれ いぶし瓦 隅棟端部しっくいはがれ 谷部への不適切な漆喰(しっくい)工事
谷部のしっくいをやり直す際 よく目にする「不適切なしっくい工事」です。谷瓦の外面(そとづら)いっぱい迄 面戸しっくいが塗られています。この不適切なしっくい及び、谷板上の葺土が、雨水を引っ張り、最悪の場合 雨漏りにつながります。谷は、雨水を集めて流す部分です。雨天の際 常時雨水が流れます。よって、谷板上には葺土やしっくいを置かないのが、瓦葺きのセオリーです。最近は、谷板上に防水シーラーを張付し、谷瓦が下がらないようにすることもあります。
- 屋根瓦のズレ(いぶし瓦/陶器瓦/S形瓦/袖瓦/軒瓦/棟/ノシ瓦/鬼瓦/カラーベスト)
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屋根は、その屋根材の施工方法や天災・立地環境(鉄道・幹線道路沿線等)などさまざまな影響により、瓦にズレが生じる場合があります。その程度がひどい場合 雨漏りにつながりますので注意が必要です。このような症状を発見した場合、お早めに専門の屋根工事店にご相談下さい。
■ケラバ部袖瓦/軒瓦のズレ(台風等の影響を最も受ける部分です)
和瓦の場合 納まり上 右袖瓦がずれる場合が大半です。モニエル瓦の場合 経年劣化で袖瓦下に施工されている防水シーラーもしくは、コーキングが劣化すると、この部分から雨漏りすることがあります。その為 ケラバ瓦下の木下地が腐食し、袖瓦がずれたり、脱落する場合があります。
いぶし瓦 右袖瓦ズレ いぶし瓦 右袖瓦ズレ 塩焼瓦 右袖瓦ズレ モニエル瓦 袖瓦ズレ脱落 万十軒瓦ズレ 万十軒瓦ズレ’(緊結釘のさびに起因) ■棟部ノシ瓦のズレ/波打ち(地震の影響を大きく受ける部分です)
経年劣化が進むと、地震や大きな振動が発生する工事等の影響で、棟部ノシ瓦にずれが発生する場合があります。棟が全体的にずれてしまう事もあります。
隅棟部ノシ瓦ズレ 陸棟部ノシ瓦ズレ いぶし瓦 降棟ズレ ■水切ノシ瓦のズレ
地震や大きな振動が発生する工事等の影響で、壁際(かべぎわ)に施工されている水切ノシ瓦にズレが発生する場合があります。雨漏りよりも、落下による事故が危険です。
■鬼瓦ズレ・倒れ・落下
経年劣化が進むと、鬼瓦を緊結している銅線が切れ、鬼瓦にズレ・倒れ・落下が発生する場合があります。特に降棟(くだりむね)に施工されている降鬼のズレ・落下は事故につながる場合がありますので、要注意です。
隅鬼瓦 倒れ 又鬼瓦のズレ 降鬼瓦ズレ 降鬼瓦落下 - 瓦(屋根材)の割れ・ヒビ
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瓦の割れ・ヒビは、雨漏りに直結致しますので特に注意が必要です。定期的な屋根点検で早期発見も可能です。是非 専門の屋根工事店にご相談下さい。
いぶし 右袖瓦割れ いぶし 桟瓦割れ いぶし 桟瓦割れ S形瓦 桟瓦割れ ■センメト瓦割れ・ヒビ
セメント瓦(和形・平板問わず)は経年劣化に伴い、瓦にヒビ(亀裂)が発生したり、割れることがあります。数十枚単位で割れていることもありますので、注意が必要です。
和風セメント瓦 ヒビ 和風セメント瓦 割れ 平板セメント瓦(セラルーフ)劣化・割れ 平板セメント瓦(セラウディ)割れ ニューウエーブⅡ割れ 和風セメント瓦割れ ■化粧スレート瓦(カラーベスト系他)の割れ・ヒビ
化粧スレート瓦は薄いセメント板(5.2mm~6mm厚)の為 非常に割れやすい瓦です。材料運搬中・施工中(釘の打ち込み方)・屋根下地劣化・ふみ割れ等 要因は様々です。材料のゼロアスベスト化による影響も、大きいと思われます。
ピュアベストレサス割れ カラーベストコロニアル割れ カラーベストザルフ割れ 厚物瓦(フルセラム)割れ ■屋根下地劣化に伴うカラーベストふみ割れ
カラーベストの屋根葺替工事をなされ、しばらく経ったお宅です。屋根下地が劣化しカラーベストに多数ヒビ・割れ(踏み割れ)が発生していました。カラーベストは、5.2mm厚の非常に薄いセメント板ですので、屋根下地の強度・精度に頼らざるを得ない屋根材です。
カラーベスト割れ カラーベスト割れ(差替時 写真) カラーベスト裏面 雨水侵入跡 - 屋根材・瓦の凍害症状(和瓦/S瓦/セキスイU瓦)
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寒冷地で見かけることが多い症状です。屋根材・瓦が吸水した水分が、凍結することにより発生する症状です。見えている部分だけでなく、隠れた瓦の裏面で同様の症状が発生していることもあります。放置すると雨漏りにつながりますので、注意が必要です。
■いぶし瓦・陶器瓦 桟瓦の凍害
いぶし 桟瓦凍害 塩焼瓦 桟瓦凍害 いぶし ノシ瓦の凍害 万十一文字軒瓦の凍害 いぶし 紐丸瓦の凍害 陶器瓦 桟瓦裏面の凍害 S形瓦の凍害 ■不適切なラバー(接着)工事・しっくい工事の影響による凍害
瓦をシリコン樹脂で接着するラバー工法/接着工法により、凍害症状が促進されたお宅の事例です。棟の既存シックイをはがさずに、その上からシックイを重ね塗りする施工法でも、同じような事例を散見します。不適切なコーキングやシックイ工事により、雨水の排水機能が低下します。結果として凍害症状を促進していると考えます。
ラバー工事による凍害 ラバー工事による凍害 ラバー工事による凍害 シックイ重ね塗りによる凍害 ラバー工事による谷瓦凍害 ■温水器水漏れに起因する凍害
屋根上に設置されている太陽光温水器の水漏れによる桟瓦凍害事例。
温水器漏水による凍害 ■セキスイU瓦の凍害
かつて 屋根の訪問販売やリフォーム業者が、(カラーベスト屋根や瓦棒屋根の上に)セキスイU瓦をカバー工法する工事をよく実施していました。セキスイU瓦は、途中でゼロアスベスト化されました。このゼロアス品は、経年で塗膜が劣化すると吸水率が上がり、最終的に凍害症状に至ります。一見 表面塗装がはがれたように見えます。こういう状態になると、屋根材自体が非常にもろくなり、屋根上の歩行が困難になるお宅も少なくありません。
- 谷板・谷といのさび、銅製谷板の穴開き
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■谷板・谷といの劣化、さび
カラー鉄板製の谷板・谷といは、経年で塗膜が劣化し、さびが発生します。そのまま放置すると、さびが進み、最終的に穴開き→雨漏りにつながります。さびが進行するまでに、メンテナンスをお薦めします。谷板・谷といは、雨水を集めて流すところ。鉄部の塗装は、なかなか長持ちしないようですのでご留意下さい。
陶器瓦 谷板劣化・さび 陶器瓦 谷板劣化・さび 陶器瓦 谷板劣化・さび S形瓦 谷板劣化・さび ■銅製谷板・谷といの穴開き
環境変化に伴う酸性雨の影響で、銅製の谷板や雨とい(軒とい)に穴が開くケースが増えています。一昔前まで、銅板の谷とい・雨といは一生ものと言われました。残念ながら、それは昔の話です。谷板・谷といは、雨水を集めて流すところ。谷板に穴が開くと、ひどい雨漏りに至ることが少なくありません。屋根の定期点検で、未然に防止することが可能です。
いぶし瓦 銅板谷板穴 いぶし瓦 銅板谷板穴 釉薬瓦 銅板谷板穴 → 谷板劣化・谷板穴開きの恒久対策はこちら(谷板交換工事)
■銅板一文字葺き屋根の穴開き
銅板一文字葺き屋根に、穴が開いた事例です。先ず、一文字軒瓦の谷芯下に穴が開き、次に2段目の銅板継目に穴が開きます。銅板水上の瓦の雨水が、全てこの穴に流れ込みます。よって、銅板の穴を放置すると、ひどい雨漏りにつながります。雨漏りしても、室外なのでなかなか気付かれない部分です。屋根の定期点検で、未然に防止することが可能です。
一文字軒瓦下 銅板穴開き 一文字軒瓦下及び、2段目銅板継目穴開き 一文字軒瓦下 銅板穴開き 2段目 銅板継目穴開き(ピンホール) 一文字軒瓦下 銅板穴開き 銅板穴からの雨漏りによる軒先天井腐食 - その他 屋根リフォーム信号例(棟瓦緊結線切れ/施釉不良瓦(等外品)/カラーベスト反り
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■棟瓦緊結線切れ・消失
経年劣化により、棟瓦緊結線が切れたり、消失した事例です。緊結線には、銅線・ステンレス線・ホルマル被覆線・鉄線(銅メッキ品)等が使われます。鉄線(銅メッキ品)は、経年劣化でさびが発生し、やがて切れて、消失してしまいます。また、銅線が細い場合 ノシ瓦との接触部分が切れてしまうことも散見されます。道路から見て、黒や茶色の線が等間隔で紐丸瓦上に付いている場合 要注意です。緊結線が切れると、台風時の棟瓦の飛散が懸念されます。
■施釉不良瓦(等外品)、亀裂
瓦の製造過程で生じる、施釉不良瓦(等外品)です。釉薬がかかっていない部分が、赤褐色に見えます。また、瓦の製造段階で桟瓦の切込み口に亀裂が入ることがあります。選別時には判明せず、経年により亀裂が顕著化します。施工時の桟瓦の葺幅調整の影響を受けることもあります。
■化粧スレート瓦の反りによる隙間
化粧スレート瓦(カラーベスト・フルベスト)は、経年劣化により反りが発生し、大きな隙間が生じることがあります。(大学ノートが容易に差し込める程の)大きな隙間が生じていたお宅もありました。
フルベスト反りによる隙間 カラーベスト反りによる隙間 フルベスト反りによる隙間(大学ノートが容易に入る程の隙間)