屋根リフォーム

屋根施工業者・屋根リフォーム業者の賢い選び方

「住まいは、人生で最も高価な買い物」だと言われています。その中でも、屋根は非常に重要な役割を担っています。そんな大切な屋根だからこそ、「屋根の専門医」=屋根工事店が必要とされてきました。屋根は正しい施工をすれば、長期間耐久します。特に粘土瓦の耐久性はすばらしく、歴史が証明しています。ただし、施工後「必要な時期」に「正しいメンテナンス」を実施することが不可欠です。医療の世界では(生命にかかわる)癌は早期発見/早期治療が重要だと言われます。それは、住まいの屋根/雨漏りでも同じです。一方で、屋根点検・屋根のメンテナンスが必要な時期になって、「(当初の)施工業者が廃業・倒産してしまい、どこに頼めばいいか困っている」という話を耳にします。当初の施工から、将来の屋根点検・屋根のメンテナンスに至る迄 #1末永く付き合える業者=「屋根のかかりつけ医」を是非 見つけて下さい。 そして、#2「企業は人なり」、その業者の担当者はもちろん、責任者・経営者の姿勢(=企業姿勢・経営理念)をよく見定めることが重要です。このことを前提に、施工業者を選定するチェックポイントを幾つかご紹介させて頂きます。なお 大阪府では、府民へのリフォームサポートとして、「大阪府住宅リフォームマイスター制度」を制定し、運用しています。業者選定のお役に立てば幸いです。ただし、これが全てではありませんので、悪しからずご了承下さい。

リフォームに関する参考Webサイト(市場価格/工事内容/トラブル相談他)

#0 屋根リフォーム工事 競合見積について

競合見積をする場合、その前提として、ご自身が「どのような業者に屋根工事を依頼したいのか」「何を重視するのか」「競合見積で何を比較するのか」について、事前にある程度考えをまとめておくことをお薦めします。ご自身の要望と業者の特長・強みがマッチすれば、双方共に良いご縁となり、満足な結果につながると思います。

#1 屋根工事業者の信頼性について

大切な屋根工事を任せる上で、先ずは信頼性が第一です。その業者の担当者、責任者の人柄は、話をすればある程度判ります。また、商談を通じて「疑問点や質問に対して納得がいく回答が戻ってくるか」「メリットだけでなく、デメリットについても説明があるか」「リスクについての説明があるか」「伝えた要望が、提案内容に反映されているか」「その提案がリーズナブルか」「経験や実績に基づいているか」等、受け答えを通して、業者の姿勢や専門性を判断できます。ご自身の要望に加えて、専門的な見地から「プラスα」の提案があれば、より満足度が向上します。それと、これまでの実績(創業期間、工事実績、取引先等)は是非 確認して下さい。できれば、実際に施工したお宅を案内してもらってはいかがでしょうか。ひょっとすると、その施主様から色んなことが聞けるかもしれません。

#2 屋根工事業者 建設業許認可、資格について

信頼性を裏付ける安心材料として、許認可(「建設業」「屋根工事業」等)、屋根工事組合への加盟/非加盟、労働省/国土交通大臣が認定する公的資格取得者在籍(かわらぶき技能士/瓦屋根工事技士/瓦屋根診断技士等)の有無を確認する方法があります。資格を持っていなくても、腕の良い職人がいることは事実ですが、一つの目安にはなると思います。ご参考までに、昔よく利用された「セキスイ屋根診断士」は、積水屋根システム社が独自で運用していた(セキスイかわら販売の為の)企業資格であり、公的な資格ではありません。また、その業者が大手メーカーとの関係を強調する場合 直接メーカーに確認してみましょう。大手メーカーとの資本関係は一切なく、単に製品(瓦・屋根材)を購入・使用しているだけの業者が大半です。

#3 屋根リフォーム工事 仕事振り(現場対応力)

屋根のリフォーム工事の場合、施主様がご在宅で工事をすることが大半です。新築工事とは違い、現場で職人/業者が求められる資質が異なります。施主様へはもちろん、近隣への配慮も必須です。休憩ばかりしている・・・。現場が整理整頓されていない・・・。駐車場所の配慮がない・・・。無駄話が多い・・・。タバコのポイ捨て・・・。こんなことでは、困ってしまいます。また、工事着工後の「報連相」は非常に重要ですので、ご留意下さい。それと、是非一度 職人や業者の車中をのぞいて下さい。車中や道具がきっちりと整理整頓されている職人は、仕事も現場もきっちりしています。「一事が万事」、まさにこの言葉の通りだと思います。

#4 屋根・瓦工事 メンテナンス・アフターサービスについて

新築住宅の場合 住宅品質確保法で、施工業者は雨水の浸入につき10年間の瑕疵担保責任が義務付けられています。屋根葺き替え工事(リフォーム工事)の場合、瑕疵保証期間は民法上、引き渡し後1年間。但し、最近屋根葺き替え工事でも、雨漏りにつき10年間保証をうたっている業者が増えています。施主様からすると、長期間工事保証をしてくれる方が安心です。但し、その業者が10年後 存続しているでしょうか?業者のなかには、引き渡し後の(万一の)リスクヘッジとして、「賠償責任保険」を掛けているところもあります。また、万一引渡し後にその施工業者が破綻しても、施主様が保険会社に直接保険金を請求できる「リフォーム瑕疵保険」も存在します。いずれにせよ、から手形では意味がありません。施工する側としては、万一のことがないよう、万全を期して工事に当たるのが当然です。その一方で、万一の時に備えてリスクヘッジをすることも必要ではないでしょうか。屋根は、引渡してから永いお付き合いが始まります。施工後のアフター及びメンテナンスを考慮した業者選びをお薦めします。

#5 屋根瓦工事・屋根リフォーム工事 見積金額について

見積金額は、重要です。ただし、さまざまな要因(工事適用範囲、仕様、グレード、材料の仕入値、施工費、利益の考え方、産廃処理費等)で、必ず(業者間で)差異が発生します。特に、リフォーム工事の場合 同じ材料、施工法で比較しても、20~30%程度差異が発生することもあります。それは、これまでご説明してきた要素にも大きく関係しています。見積金額に大幅な違い(法外に高額/法外に安価)があれば、その要因の詳細確認が必要です。ただし、そうでなければ、あくまで一つの要素としてご理解頂いた方が賢明かもしれません。「安物買いの銭失い」になってしまっては、本末転倒です。見積金額には現れない「信頼性」「対応力」「サービス」「安心」「アフター」など、非常に重要な要素が隠れています。皆さんは、「良い病院」「良いドクター」を選ぶ際 何を優先されますか?

#6 大きな値引き・サービス提示他/点検商法/見本(モデル)工事商法

契約を条件に、大きな値引きやサービスを提示する業者には、注意しましょう(モニター対応値引き・足場代・雨とい交換サービスなど)。その他 点検商法/見本(モデル)工事商法など屋根の悪質商法には要注意です。実直な屋根工事店は、相手の不安をあおったり、期限を切って成約を迫るような営業手法は使いません。訪問販売の場合 施工途中や工事完了後であっても、その取引の内容・経緯によりクーリングオフができる場合もあります。少しでも不安を感じたら、一人で考えず是非 誰かに相談して下さい。医療と同じで、「セカンドオピニオン」が必要なこともあります。