お知らせ

富田林の家 屋根点検(瓦葺き戻し工事)

4年前 瓦の葺き戻し工事(車返し)をさせて頂いたお宅(富田林市)の屋根点検にお伺いしてきました。通りをへだてたところで外壁塗装をしている業者が訪ねて来て、お宅の屋根の隅の瓦が曲がっていると指摘されたとのこと。うちは屋根もやっているので、見ましょうかとアプローチを受けたようです。「若いお兄ちゃんで信用できそうにもなかったし、決まったところがあると言って断ったのよ」とことでした。「多分何もないと思うけど、心配やし見てもらえませんか」とのご依頼でした。

1 屋根点検時の写真

このお宅は、古い瓦を最大限流用(再利用)して、施工法を変更(土葺き工法→縦桟工法)し、葺き戻し工事をさせて頂きました。このような工事を、「車返し」と呼んだりします。その際 棟の仕様を変更(鬼瓦・ノシ瓦を使用せず、棟金具+垂木の上 7寸紐丸瓦伏せに変更)しています。

案の定 指摘されたようなこともなく、急を要する補修など必要ない状態でした。どこがおかしいのか直接教えてもらおう思い、塗装現場をのぞいてみました。足場はかかっていましたが、職方は不在で話を聞けませんでした。イメージシートの社名をネットで調べてみました。東京本社で、いくつか営業所があるような会社のようでした。ただ、ネットには代表者名や会社概要を掲載しておらず、大阪営業所の住所はマンションの一室になっていました。もし屋根にあがらせていたら、何をされるか判らなかったと思います。奥様の賢明なご判断で、良からぬ事が回避できてほっとしました。

2 葺き戻し工事(車返し)写真

既存瓦土撤去
屋根下地補強5.5mm
ゴムアス→瓦桟打ち(横+縦桟木)
瓦葺き戻し(車返し)@ステンレスビス止め

3 瓦葺き戻し工事(車返し)について

屋根の軽量化を目的に、「土葺き工法」で施工されている瓦を、葺土撤去→屋根下地補強→引掛桟葺き工法に変更し、葺き戻し(車返し)できないかとご要望されることがあります。この工事をすれば、屋根重量を約40%~50%軽量化できたりします。但し、もともと施工されている瓦の耐久性が、十分に期待できる場合に限ると思っています。古い瓦を再利用することが条件の、文化財や自治体から補助をうけるケースを除き、どんな状態の瓦でもお薦めできるというような工事ではありません