お知らせ
不適切な屋根シックイ工事#2(谷部面戸シックイ)
谷とい・谷板金は、雨水を集めて流す部分です。谷瓦小口に面戸シックイをしても、短期間で劣化しはがれます。昔は、左官屋さんがシックイを塗っていましたが、昨今 新築屋根工事や屋根葺替工事の際 谷部にはしっくいを塗らない・置かないことが業界スタンダードになっています。この谷部のシックイをはがさずに重ね塗りすると、シックイがはがれるだけでなく、雨漏りにつながることもありますので、注意が必要です。
■ 従来の谷部納まりについて
土葺き工法が主流だった頃の、従来の谷部の納まりです。谷とい(谷板金)上に葺土を置いて、谷瓦が葺かれているお宅が散見されます。その後 左官屋さんが入って、谷部面戸シックイを塗っていました。この状態から、谷部の面戸シックイを更に重ね塗りすると、谷瓦とシックイとのチリ(クリアランス)がなくなり、シックイ及び葺土に雨水が伝い、最悪の場合 雨漏りに至ります。


■ 現在の谷部納まり(業界スタンダード)
谷とい(谷板金)は、雨水を集めて流す所。昨今 谷にはシックイを塗らない、谷板上には葺土・シックイを置かない納まりが主流(業界スタンダード)となっています。


■ 重ね塗りされたシックイが、谷瓦からはみ出る納まり



❙ 谷部への不適切なシックイにより、雨漏りしたお宅
このお宅は、谷とい(谷板金)上にも葺土がたっぷり置かれていました。谷部の既存シックイをはがさず上塗りした為 より雨水の浸入を促進することになり、結果として雨漏りしていました。
