お知らせ

不適切な屋根シックイ工事#2(谷部面戸シックイ)

谷とい・谷板金は、雨水を集めて流す部分です。谷瓦小口に面戸シックイをしても、短期間で劣化しはがれます。昔は、左官屋さんがシックイを塗っていましたが、昨今 新築屋根工事や屋根葺替工事の際 谷部にはしっくいを塗らない・置かないことが業界スタンダードになっています。この谷部のシックイをはがさずに重ね塗りすると、シックイがはがれるだけでなく、雨漏りにつながることもありますので、注意が必要です。


従来の谷部納まりについて


土葺き工法が主流だった頃の、従来の谷部の納まりです。谷とい(谷板金)上に葺土を置いて、谷瓦が葺かれているお宅が散見されます。その後 左官屋さんが入って、谷部面戸シックイを塗っていました。この状態から、谷部の面戸シックイを更に重ね塗りすると、谷瓦とシックイとのチリ(クリアランス)がなくなり、シックイ及び葺土に雨水が伝い、最悪の場合 雨漏りに至ります。

よく見かける従来の谷部納まり
不適切な谷部シックイ重ね塗り

現在の谷部納まり(業界スタンダード)


谷とい(谷板金)は、雨水を集めて流す所。昨今 谷にはシックイを塗らない、谷板上には葺土・シックイを置かない納まりが主流(業界スタンダード)となっています。

和型 谷瓦納まり
平板瓦 谷瓦納まり

重ね塗りされたシックイが、谷瓦からはみ出る納まり


谷部への不適切なシックイにより、雨漏りしたお宅

このお宅は、谷とい(谷板金)上にも葺土がたっぷり置かれていました。谷部の既存シックイをはがさず上塗りした為 より雨水の浸入を促進することになり、結果として雨漏りしていました。